朝永-Schwinger描像とは.
簡単なまとめです(詳しくは,EMANの物理学辺りを読めば書いてあります).私自身,ちゃんと分かっている訳ではないですが,たぶんさほど込み入った話でもなさそうです.
Schrodinger描像,Heisenberg描像の中間の描像が朝永-Schwinger描像です.Dirac描像とも呼ばれるそうです.Schrodinger描像は時間発展を状態ケットが担い,Heisenberg描像では演算子が担いますが,朝永-Schwinger描像では両方が時間発展します.
いま,ハミルトニアンが
のときに(第一項を自由粒子のハミルトニアン,第二項を相互作用のハミルトニアンにとることが多い),第一項が演算子の時間発展を,第二項が状態ケットの時間発展を決めるように役割分担できる.
すると,Heisenbergの運動方程式のような
と,Schrodinger方程式(ここでは,朝永-Schwinger方程式)のような,
が成立する.このとき物理量の期待値は
と書ける.
実は,朝永-Schwinger描像の状態ケットの時間発展演算子は,を自由粒子のハミルトニアン,を相互作用のハミルトニアンとしたときの,散乱行列になっています.
散乱行列は表式からも判る通り,が時間発展してになる確率振幅
です.
相互作用描像とも呼ぶそうですが,相互作用の有無がこの描像の本質ではないと思うので,呼称としては微妙かなと思っています.