米語と英語の違い(表記)
米語と英語の違いについて.
米語と英語は,発音は勿論ですが,表記も所々に違いがあります.これには歴史的な経緯があって,現在の米国式の綴りはNoah Websterというアメリカ人が1806年に発表した辞典に基づいています.この改革は,教育的,実利的な意義があるだけでなく,イギリスからの独立の象徴という,精神的,政治的にも意味深いものだったようです.実際,ニュージーランドやカナダ,オーストラリアでは基本的には英国式綴りが正式です.
有名なもの
違いとして有名なものでは
などの,er/re,or/our,ze/se,log/logue,e/ae,ward/wardsがあります.こうしてみるとフランス語やギリシャ語の綴りを残しているのが英国式とも言えそうです.
個人的に気になったもの
有名なものはここでは敢えて詳しく取り上げず,個人的に,英国の英文を読んで初めて知ったものを挙げると,
があります.vs.をvで書いているのは映画のタイトルなどでは割と目にするので,私が鈍感だっただけでメジャーかもしれません.Mr.もピリオド要らないんですよね.英国式の方がピリオドは省略しがちなのかもしれません.カンマもi.e.やe.g.の後のカンマはU.K.では省略されがちなんだそうです.
i.e.やe.g.の後にカンマが続くのはくどいのでaestheticでないというのがイギリスの人の感覚のようです.アメリカ人としては,i.e.がthat isだと思えばカンマが無いのは変だという意味に基づいた合理的な理由でつけるようです.この辺の違いは面白いですね.
ハイフネーション
反対にハイフンは英国式だと省略しないようです.
参考:
実際The Economistではco-がつく単語はハイフンをそのまま書いていますね.私もその方が意味と発音が明確になるので好みです.例えばcorporateとcooperateの違いはco-operateと書いた方が明確になると思います.
オックスフォード・カンマ
また,ややこしい話としてオックスフォードカンマとよばれるものがあります.
参考:
This is actually my favorite TikTok pic.twitter.com/PWtVOSkO77
— Dave Jorgenson 🦊🗞 (@davejorgenson) September 23, 2019
この,andの前のカンマをオックスフォードカンマといいます.カンマなしだと
となって,my parentsとBatman and Supermanが同格だという解釈もできるようになります.オックスフォードカンマの有無については論争があって決着がついておらず,裁判沙汰にもなっています.また,実は,オックスフォードカンマが主流なのはオックスフォード大学がある英国ではなく米国で,米国以外ではあまり使わないようです.つまり(以下は有名な例ですが),
です.オックスフォードカンマを使うことで混乱を招くことは基本的にはなさそうなので個人的には,U.S.式のオックスフォードカンマありの表記が好みですね.
日付
正式には
ですが,The Economistは英国誌ですがU.S.式ですね.アメリカに読者が多いからでしょうか.GuardianはU.K.式でした.
トリッキーなやつ
あとは,トリッキーなところだと
とかありますが,発音が余りに滅茶苦茶なのでU.K.式は現在では廃れていると思います.
米語/英語の違いをまた見つけたら追記していこうと思います.