微分形式をブラケットで
とあるSNSで,微分形式をブラケットで書くというアイディアを見て,面白そうだったので,思いつくままに書いてみます.の双対基底をと書くのが天才Diracが編み出したブラケット記法です.ケットの空間を,ブラの空間をと書くと,
です.ですので,ブラとケットの積はスカラーになります.
ここに,はクロネッカーデルタで天才Einsteinが編み出した縮約記法を使っています.
が完全系を成すとき,
が成り立ちます.これを掛けるのが,基底で展開することに相当します.
同じ話を微分形式でもやってみます.
微分形式の場合,の双対基底をと書けます.
ところで,これは重要なことですが,ベクトルは座標系の取り方に依りません.座標系の取り方で変わるのはあくまでも成分です.だから物理法則はベクトル(テンソル)で記述しなければなりません,観測者(座標系)によって物理が変わってしまっては困るので(一般相対性原理).
また,全微分も座標の取り方に依らない量です.
この対応を与えるのが微分形式で,で張られる空間の元は全微分です.すなわち
です.展開係数が偏微分係数になっていることが判ります.
また,完全性の式
はこのように基底をからに換えても成り立ちますが(完全系なら),これは全微分が座標の取り方に依らないことと対応していると見ることができます.すなわち,