数学

物理学科的な漸化式の解説(いわゆる「特性方程式」の意味)

高校生向け記事です.等比数列や数列の表し方(一般項)は知っている前提としていますが漸化式についての知識は一切仮定していません.初めから理解してが解けるようになることを目標としたいと思います. 漸化式は解法暗記ゲーのように思われがちですが,一貫…

高校数学で出てくる数列の和で抑えておくべき点はたった一つ

家庭教師をしていて思った事です. 高校数学で登場する数列の和は全て の形に帰着させることができます.ですので,高校生に教える際はひとまずこの関係式を納得させることを目標にしています. ysdphy.hatenablog.com でも触れましたが,この関係式は積分で…

1/(1+x^n)の0から∞までの積分

を考えます.そのために以下のような径路での積分を考えます. 径路 これを反時計回りに周回する径路をとし,原点から出発して真っ直ぐ へ至る径路を,から原点中心の弧を描き へ至る径路を , から真っ直ぐ原点へ至る径路を とします. 複素数の範囲で とし…

部分積分ならぬ部分和分

このブログで唯一アクセスのある記事が ysdphy.hatenablog.com です.和分→積分のアナロジーを見たのが上記の記事でしたが,積分の常套手段,部分積分と同じことが和分でできそうです. として これが微積分学の基本定理だという話は上の記事でしました. さ…

遠心力は重力です

Einsteinの一般相対性理論では,「慣性力と重力は区別できない」という事を要請します.つまり,ざっくり言えば,我々の知っている重力とは,実は時空が曲がっていることに由来する慣性力だったということです.逆に言うと慣性力は重力なので,一般相対性理…

ラプラシアン,ダランベルシアンを計量テンソルで

発散は, です.は共変微分で,共変微分とは基底ベクトルの変化も考慮に入れた,微分です.接続は, 但し,和をとるindexがダミーであることと計量テンソルの対称性より が従うことを使いました. ここで一般の行列について,行列式の余因子展開 なので, か…

微分形式をブラケットで

とあるSNSで,微分形式をブラケットで書くというアイディアを見て,面白そうだったので,思いつくままに書いてみます.の双対基底をと書くのが天才Diracが編み出したブラケット記法です.ケットの空間を,ブラの空間をと書くと, です.ですので,ブラとケッ…

擬ベクトルとパリティ変換

以前, ysdphy.hatenablog.com でウェッジ積を扱いました.基底が の三次元ユークリッド空間で外積空間, の基底はそれぞれ です.擬ベクトルとは,このうちで, に属するものを言います.擬ベクトルの「擬」は擬態の「擬」ですが,これは普通のベクトルとは…